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死とむきあうための12章

日本死の臨床研究会 編 / 四六判上製 296頁 /
税込2310円 / ISBN4-89007-113-X C0030  

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書評を読む

「この二十年間ほどの間に、タブー視されていた「死」はオープン化し、ごく一般の人々の話題となり、巷の本屋さんでは死に関する書類が多く見られるようになってきました。ガンやエイズの問題や高齢化がそうさせたのかもしれません。(中略)
  
パターン化され、送られる死ではなく、現代では「死の個性化」と言いましょうか、一人一人が自分の死生観や「死」を持つことが大切になりました。本書でも東洋的な死生観や西洋的な死生観に触れられています。(中略)

今一度、いつかは必ず訪れる「自分の死」というものを考えねばなりません。この本に書かれたことがらは、読者の「自己実現」の手助けになると信じています。そして、一日一日を大切に生きて、明日から輝いた素晴らしい生き方ができると思います。」
発刊にあたって より 
「日本死の臨床研究会」世話人代表 松岡寿夫

ホスピス、緩和ケア、病名告知、インフォームドコンセント、デス・エデュケーション、自己決定権、バイオエシックス、QOL、臓器移植など――変容する医療のなかで「自分らしい死」をどう実現するか!作家、哲学者、臨床心理学者、生命倫理学者、医療者、患者ら12名の著名人が、自らの死生観に基づいて率直に語る!

検索語:死生観,死生学,生死,生きる,死ぬ,生き方,死に方,人生,意味,尊厳死,告知,インフォームドコンセント,臓器移植,終末期医療,終末期看護,ターミナルケア,緩和ケア,パリアティブケア

 

死とむきあうための12章 

もくじ


第1章 私にとっての「尊厳ある死」      柳田邦男  ノンフィクション作家
    
    作家としてやっておきたいこと
    重い病気で死が避けられなくなったとき


第2章 児童文学のなかの「死」      河合隼雄  国際日本文化研究センター所長
   

    『ヨーンじいちゃん』ペーター・ヘルトリング
    『おれたちのおふくろ』今江祥智
    『あのころはフリードリヒがいた』ハンス・ペーター・リヒター
    『子どもの隣り』灰谷健次郎
    『人形の家』ルーマー・ゴッデン
    『影との戦い』ル=グウィン
    『金の輪』小川未明
    『西の魔女が死んだ』梨木香歩
    『子どもの宇宙』河合隼雄
    『子どもの本を読む』河合隼雄


第3章 私たちの長い命のために      重兼芳子 芥川賞作家

第4章 臓器移植をどうみるか      梅原猛 国際日本文化研究センター所長

第5章 東洋と西洋の死の考え方      アルフォンス・デーケン 上智大学教授

三つのアプローチからの考察
    1過去を振り返る
        (1)死の受容
        (2)死後に関して
        (3)自殺の受け止めかた

    2現在の状況を比較する
    3未来への考察

将来の死生観について
    (1)旧―‐死のタブー化
         新――死への準備教育
    (2)旧――患者と病気だけに向けられた「ターミナル・ケア」
         新――残される家族にも目を向けるグループエデュケーション」
    (3)旧――ガン告知のタブー視
         新――率直なコミュニケーション
    (4)旧――肉体的生命の延長だけにこだわる医療
         新――生命の質と量のバランスを考える医療
    (5)旧――文化的雰囲気に書ける病院
         新――音楽療法などの採用
    (6)旧――「問題」解決に偏ったアプローチ
         新――「問題」と「神秘」への認識
    (7)旧――患者を疎外する傾向
         新――患者を主人公に据え連帯性を大切にするアプローチ
    (8)旧――病院で迎える死
         新――自宅で「畳の上」で迎える死
    (9)旧――配偶者との死別に対する無防備
         新――プレ・ウィドウフッド・エデュケーション
    (10)旧――形式的・商業主義的な葬儀
           新――個性的な、残された人を思いやる葬儀
    (11)旧――儀式のための宗教
           新――ターミナル・ケアを支える宗教
    (12)旧――重苦しいまじめさ
           新――愛と思いやりをあらわすユーモア精神
参考文献


第6章 死をどう生きたか      日野原重明  聖路加巻後大学学長

第7章 「あるがまま」の死生観      岩井寛 聖マリアンナ医科大学神経精神科助教授
    
   
イタリアとインドで考えたこと
    身近に体験した死の臨床
    人間の病とは何か
    人間は生きていることを表現する
    東洋と西洋の考え方の違い
    生きることに燃える芸術家
    「あるがままの死」を受け容れたケース
    それぞれの人に見合ったケアを

第8章 あなたと私の死生観      金子仁郎 大阪大学名誉教授・関西労災病院院長
    
    医療人が死生観をもつ必要性
    どんな時に死生観が問題となるか
    死生観の個人差
    死生観の時代差
    死生観は変わりうる
    人間の生とは

第9章 ガンの告知と死の準備      隅谷三喜男  東京大学名誉教授
    
    ガン患者として
    誰が誰に告知するか
    医師の姿勢
    家族の苦悩
    本人の意志
    人間の最期とは何か
    「新しい世界」が開けた
    告知と死の準備


第10章 死にゆく患者の心理      辻悟 治療精神医学研究所所長
   
  
「圧倒的な体験」としての死
    手に負えない体験としての死
    もう一歩踏み込んでとらえることが大切
    「治療精神医学」の考え方と「死の臨床」
    体験を共有するということの意味
    耳を傾けて聴くことの意味
    恐れの象徴としての「幻聴」
    共に生きるというアプローチ


第11章 患者の権利とバイオエシックス      木村利人 ジョージタウン大学ケネディ倫理研究所 アジア・バイオエシックス研究部長
    
  
「バイオエシックス」とは
    患者中心の医療とは
    治る気はあるか
    次の世代への教育とは
    治療の強制
    子供が本当のことを
    患者の権利の国際化
    皆で分ち合う
    私たちが未来をつくる


第12章 「医学の歴史」における末期医療      中川米造 大阪大学医学部教授

「歴史」とは何か
一九世紀医学史を超える
前衛でなくて後衛の歴史
医学誌の時代区分
    「侍医」の医学
    「開業医」の医学
    「病院」の医学
    「社会」の医学
それぞれの時代における「末期医療」
    侍医の医学と末期医療
    開業医の医学と末期医療
    病院の医学と末期医療
    社会の医学と末期医療
「燃えつき症候群」
死への態度の変遷
社会の問題としての「死の臨床」

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「がん患者に向き合うという理念で結成された『日本死の臨床研究会』で行われた特別講演のうち、さまざまなジャンルの一二人の講演要旨がまとめられている。(中略)死と生両面から問題提起し、身近な問題となってきた臓器移植まで話が及ぶ。」
      「産経新聞」

「驚嘆すべき雲、珍しい雲、美しい雲などに出逢うと、カメラを向けたり、スケッチしたり(中略)。その日常自体が、納得できる『死への準備』を豊かに膨らんだものにしている
   作家の柳田邦男さんは、自分の残り時間が長くないと分かったら、何を差し置いても作りたい本のひとつは雲の本という。」
   「朝日新聞」 

「死と向き合い、それを考えることは、人生をなんと透明にして、それゆえの豊かさを、私たちにもたらしてくれることでしょうか。人生を考えるうえで、一読をおすすめする一冊です。」
    評者 森 省ニ 精神科医  「暮しと健康」

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